代表挨拶

ここからは、真美研究所を立ち上げるに至った経緯をお話したいと思います。

過去10年以上にわたり、経営者や起業家の方々を対象に、ビジュアルプロデュースの仕事をしてきました。

お客様の見た目を整える。それは単に「美しくなる」ことが目的ではありません。

目指していたのは、その方が本当に望む未来を手に入れるための、意識の変容です。

「見た目が変わることで、思考が変わる」

私はそう信じていましたし、実際に多くの方が変化していく姿を見てきました。

外見を整えるプロセスの中で、人は自分を客観的に見つめるようになります。

今の自分と理想の自分との「違い」に気づき、それをどう埋めていくかを考える。

それは、まさにビジネスにおける思考の営みと重なるものでした。

外見を変えたことがきっかけで、マインドが変わり、人間関係が変わり、仕事の捉え方までもが変わっていく。

そんな変容の連鎖を、何度も目の当たりにしてきました。

クライアントの想いを「かたち」にすること。その方の本質を、視覚を通して伝えること。

私はそこに、大きな喜びと可能性を感じていました。

でも、やがて気づいたのです。

どれほど外見を整えても、その人の“見る力”や"考える力"が磨かれなければ、本当の意味で、美しさは宿らないということに。

やがて私は、こう問い直すようになりました。

「外見が変わるから、内面も変わるのだろうか?」

それとも、

「内面が成熟するからこそ、本当の意味で美しくなれるのではないか?」

人は、美しくなることの先に、必ず「内面を満たしたい」と願うようになります。

その逆説にこそ、「美」の本質があるのではないか。

そして、その“内面の成熟”を育むには、人文知の知、すなわち思考する力が不可欠なのだと。

哲学との出会い、アカデミズムの現実

私にとっての転機は、哲学を学び始めたことでした。

思考する力と俯瞰する視点を手にしたとき、ようやく「内面の美」という言葉の本当の意味が、腑に落ちていったのです。

さらに学びを深める中で、現代のアカデミズムにおける人文知が、どれほど周縁に追いやられ、科学や経済合理性の支配下に置かれているのかを知りました。

目先の成果や効率ばかりが求められ、本来、人間の精神性を支えてきた深い思索が、社会の中で軽視されている。

それは、私たちの文化の土台が静かに崩れつつあることを意味しているのではないか。

このままでは、人文知が静かに失われてしまう。

そうした現実に直面し、「人文知を守る活動に自分も参画したい。自分に何ができるだろうか」と考えるようになりました。

私たち日本人の美意識や精神性を支えてきた、本来の人文知。

それをただ懐古的に扱うのではなく、今を生きる私たちの言葉で、次世代へとつなぐ。

この営みこそが、未来の文化と精神を豊かにする礎になる。

そう感じた私は、単なる学びにとどまらず、それを「守り、つなぐ」ための場をつくることを決意しました。

外見から始まり、内面へ、そして知へ。

美の探究は、私の中で自然とその道筋をたどっていきました。

「真美研究所」立ち上げの背景

働く女性が、もっと自由に、美しく、しなやかに生きるために。

それには、「高い視点」から思考し、「美を支える知」を持つことが欠かせません。

哲学サロンの主宰や、東京官学支援機構、東京美学倶楽部での研鑽を積み続け、「真美研究所(シンビラボ)」を立ち上げました。

ここは、

・機微を受け取り、言葉にする力を磨く場
・感性と知性を磨きながら、他者と共に歩む場
・国とともに人文知を守る、志ある女性の共同体

です。

嬉しいことに、私の思いに共感し、共に活動してくれる仲間たちが今、少しずつ増えています。

この場は、「わたし」という視点を超えた、“世界との関わり方”そのものを、美しくしていく営みでもあります。

私たちは今、人文知を守り、次世代へつなぐ活動を始めています。

あなたも、この小さな共同体の一員になりませんか。
ともに、美の本質を探究しながら。

あなたの感性と、まだ見ぬ言葉が、この場をさらに豊かにしてくれることを願っています。