代表挨拶

ここからは、真美研究所を立ち上げるに至った経緯をお話したいと思います。

過去15年以上にわたり、経営者や起業家の方々を対象に、ビジュアルプロデュースの仕事をしてきました。

お客様の見た目を整える。それは単に「美しくなる」ことが目的ではありません。

目指していたのは、その方が本当に望む未来を手に入れるための、意識の変容です。

「見た目が変わることで、思考が変わる」

私はそう信じていましたし、実際に多くの方が変化していく姿を見てきました。

外見を整えるプロセスの中で、人は自分を客観的に見つめるようになります。

今の自分と理想の自分との「違い」に気づき、それをどう埋めていくかを考える。

それは、まさにビジネスにおける思考の営みと重なるものでした。

外見を変えたことがきっかけで、マインドが変わり、人間関係が変わり、仕事の捉え方までもが変わっていく。

そんな変容の連鎖を、何度も目の当たりにしてきました。

クライアントの想いを「かたち」にすること。その方の本質を、視覚を通して伝えること。

私はそこに、大きな喜びと可能性を感じていました。

しかし、そこで気づいたのは、本当に人を美しくするのは、内面の成熟と思考の深さだということ。

表層の「おしゃれ」や「映え」ではなく、静かに、強く、内側から滲み出る凛とした美しさ。それを支えるのは、流行でもテクニックでもなく、思考の深さです。

外側を磨くことと、内面を成熟させること。その両輪がそろってこそ、人はほんとうに輝き始める。

そう感じた私は、「美の本質とは何か」という問いに向かい始めました。

哲学との出会い、アカデミズムの現実

その問いに導かれるようにして、哲学と出会いました。

哲学は、思考の訓練を通じて、自分自身を俯瞰する力を養い、世界や人間について根源的な問いを立てるための考具のようなものです。

「自分とは何か」「世界とはどう成り立っているのか」「美とは何か」

こうした問いを持ち続け、自分の考えを持つことこそが、心の奥底から滲みでる美しさを支えます。

さらに学びを深める中で、現代のアカデミズムにおける人文知が、どれほど周縁に追いやられ、科学や経済合理性の支配下に置かれているのかを知りました。

目先の成果や効率ばかりが求められ、本来、人間の精神性を支えてきた深い思索が、社会の中で軽視されている。

それは、私たちの文化の土台が静かに崩れつつあることを意味しているのではないか。

このままでは、人文知が静かに失われてしまう。

そうした現実に直面し、「人文知を守る活動に自分も参画したい。自分に何ができるだろうか」と考えるようになりました。

私たち日本人の美意識や精神性を支えてきた、本来の人文知。

それをただ懐古的に扱うのではなく、今を生きる私たちの言葉で、次世代へとつなぐ。

この営みこそが、未来の文化と精神を豊かにする礎になる。

そう感じた私は、単なる学びにとどまらず、それを「守り、つなぐ」ための場をつくることを決意しました。

外見から始まり、内面へ、そして知へ。

美の探究は、私の中で自然とその道筋をたどっていきました。

「真美研究所」立ち上げの背景

働く女性が、もっと自由に、美しく、しなやかに生きるために。

それには、女性ならではの感性や思考を「社会に届く形」で表現できる力を持つことが欠かせません。

真美研究所(シンビラボ)は、「感性を社会に届くかたちへ翻訳する専門家」を育てる研究と実践の場として、活動を続けています。

ここは、

・詩や哲学を通じて、機微を受け取り、言葉を磨く
・感性と知性を育み、他者と共に歩む
・社会貢献に興味がある、女性たちが共に学び合う

そんな学びの共同体を提供しています。

嬉しいことに、この考えに共感し共に活動してくれる仲間たちが今、少しずつ増えています。

私たちの探究は、「わたし」という視点を超えて、世界との関わり方そのものを美しくしていく営みでもあります。

感覚を丁寧に見つめ、言葉にする。思考を深め、表現する。それが、あなたの内面の成熟を育み、社会に響く力へとつながります。

あなたも、この小さな共同体の一員になりませんか。
ともに、美の本質を探究しながら。

あなたの感性と、まだ見ぬ言葉が、この場をさらに豊かにしてくれることを願っています。